米株投資家のひめです。
2月28日、Bloombergはゴールドマン・サックスの欧州の金利市場戦略部門長であるベルンハルト・ジメルカ氏が次の危機時に1ドル60円まで円高が進むと予想していることを紹介しました。
マクロ面をみると、次の危機時には主にドル円市場にプレッシャーがかかりやすい。FRBが前回大規模な景気刺激策を実施したときのことを踏まえると、円高の記録を更新するだろう。戦後のレコードハイは2011年10月に記録した1ドル75.35円だった。今回は1ドル60円まで行くだろう。
本邦金融機関のドル調達の市場依存
その理由として、Bloombergは以下のとおり、ジメルカ氏に加え、国際決済銀行(BIS)の見解を紹介しています。
- 日本の金融機関はドル調達にかなりのレバレッジをかけている(ジメルカ氏)。
- 日本の金融機関は市場でのドル調達に依存していて、海外でのドル建ての貸出に対してドル預金の裏付けがない。このミスマッチは2016年末で数千億ドル規模にのぼる(BIS)。
日本銀行の打つ手のなさ
この点について、ひめは1ドル60円まで円高が進むかはわかりませんが、1ドル75.35円を超える可能性は十分あると思っています。
現状、日本銀行の打つ手が限られていることも大きいです。円高を防ぐ観点からマイナス金利を深掘りすることも理論上は可能ですが、実際に実行するのは厳しいのではないでしょうか。
これは、金融政策として前人未踏の領域であるマイナス金利政策を続けるうちに、金融機関の収益低下を通じて、金融仲介機能を傷つけることがわかってきたからです。すなわち、マイナス金利の深堀りは、日本銀行の目的の一つである「物価の安定」に資するとしても、もう一つの目的である「金融システムの安定」を図ることが困難化してしまうのです。
ピンチは最大のチャンス
1ドル60円というと、2月末の水準(111.14円)から円建てでみたときのドル資産価値が一気に53.9%にまで落ち込むことを意味します。こうしたときはたいてい世界的にリスクオフが起きていて、米国の株価も下落していることが予想されます。このため、米株投資家の円建ての投資成績は日本株投資家以上に厳しいものになる可能性は高いです。
しかし、ピンチは最大のチャンスでもあります。なぜなら、最強通貨円の誕生を意味しているからです。また、リスクオフが未来永劫続くこともありません。
著名ブロガーのバフェット太郎さんは投資のタイミングについて、常々、以下のとおり発言しています。
「いつリセッションが来るかは誰にもわからないため、投資でタイミングを計ることはできない」
「投資家は事前に一定のルールを決めて、そのルールに基づいて定期的に買っていくのが賢明」
もっとも、ひめの考え方は違います。今日より明日、明日より明後日とリセッションに入る確率は高まっていることは間違いありません。
加えて、本家バフェットはこのように言っています。
投資の世界に見送り三振はない。
1分間バフェット 桑原晃弥
ひめは現在、キャッシュ比率を高めに維持しています。1ドル60円になった暁には、あわてふためくみなをよそに最強通貨円でバーゲン価格になった優良株を淡々と買い集めます。そして、financial independence(経済的自由)への道を一歩も二歩も進めたいと思います。
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